■わたしはトレーナーがケガを治す立場にあるのではなく、選手自身がケガを克服していくもの、トレーナーはあくまで裏方、選手がケガを改善できるようにまた、良い練習ができるようにサポートすることが大切だと思っています。
そのために月に2回、整体でコンディショニングをすることとは別に、1時間ほどを勉強会として使っています。
自分自身が、ボート経験者だからわかるメンタル面や、ボートで腰を痛め4年間を棒に振った経験、整体師として得た身体の知識などを選手たちに伝えたいと思っています。
わたし自身も自分の持っているものをアウトプットしていくことで、知識が整理されたり、改めて勉強になったりと、自分の成長のために大切な時間になってきています。
選手� ��ちには知識を得ることで、同じケガを2度と繰り返さないことにつながったり、得た知識をもとに実践することでパフォーマンスがアップするなど、この勉強会で様々な"気づき"を得て欲しいと思っています。
以下、勉強会の記録です。
2008年11月6日 <疲労について>
スポーツ選手の中には、トレーニングしているのだから疲労しているのは当たり前と考える人もいます。しかし、疲労が溜まると、モチベーションが落ちたりケガの原因になったりします。
筋力を上げようとウエイトトレーニングをしても3ヶ月はかかりますし、持久力も相当の鍛錬が必要になります。パフォーマンスを短期間でアップするには疲労を抜くことが最も効果的です。
疲労を溜めるとなぜよくないのか?また、疲労が 抜けるまで待つのではなく、積極的に疲労を抜いていく"攻めの疲労回復"という考え方について話をしました。
2008年12月3日 <ハムストリング>
ボートを漕ぐ上での主動筋はハムストリングスです。太ももの裏についている筋肉ということは知っていても具体的にはよく分からない。という選手がほとんどでした。
ハムストリングスはどんな特徴のある筋肉なのか、どこの部分からどこに付着している筋肉なのか?、ローイングに直接つながるハムストリングスの働きについて話をしました。
ハムストリングスはヒザ関節を屈曲させると出力が落ちるため、効果的なローイングフォームについて考えるキッカケとなってくれればいいなと期待しています。
この勉強会をきっかけに、選手たちはハ� ��ストリングスのケアを意識しておこなうようになりました。
2008年12月17日 <モチベーションを高める目標設定>
質の高いトレーニングを継続していくには、目標が必要になります。目標が弱いとオフシーズンはもちろん、、シーズン途中でも練習に対するモチベーションが低下してしまい、毎日の練習が惰性でおこなわれるようになってしまいます。
良い設備、良い環境、良いコーチなどがそろっていたとしても、選手にやる気がなければ上達はしていきません。
馬に水を飲ませようと、水飲み場につれていくことはできても、飲む気が無い馬に無理やり水を飲ませることはできません。のどが渇いた馬は自ら水を飲みに行きます。
しっかりした目標があれば、多少の困難はあっても頑張るこ� �ができるものです。
人は興味のないことには夢中になれないものです。また人の欲求には優先されるものとそうでないものがある。目標を達成するために克服しなければならない恐怖について理解する・・・など、
彼らはどのくらい住んでいるのロットワイラー
スポーツ心理学をからめた適性な目標設定の方法について、また、目標を達成するためには小さな成功体験を繰り返すことが大切だという内容で話をしました。
2009年1月7日 <コンディショニングのためのストレッチ1>
良いトレーニング、質の高いトレーニングをおこなうためには、良い体調が必要です。人任せでは良い体調は維持できません。
牛田が1日にコンディショニングできる人数は限りがあります。だから選手自身が日ごろからセルフケアで自分の体をコンディショニングする必要があります。痛みや強い疲労感が出てからだと回復まで時間がかかります。不調を予防することが大切です。
ストレッ チはちょっとした関節の角度の違いやコツを知っているだけで格段に効果がアップします。セルフケアとしての具体的な方法として、足、ふくらはぎ、太もも、尻、腰、背中、首、殻、胸、腕、手首と全身のストレッチのやり方と、効果的に伸ばすテクニックを指導しました。
当初はストレッチで疲労が回復したり、痛みが取れるということを信じていなかった選手たちも、自分自身でそれを体験することで、じょじょにストレッチの重要性を理解してくれているようです。
ストレッチをするようになり、以前よりは疲労が溜まりづらくなった。故障者が少なくなってきた。また故障しても重症には至らないなどの効果が出てきています。
2009年1月21日 <コンディショニングのためのストレッチ2>
い� �ら一生懸命トレーニングをしても上達しないのは柔軟性が低いことに原因がある場合もあります。コンディショニングのためのストレッチ−1を発展させ、競技力を向上するためのストレッチを指導しました。
特に今回は背骨の動きに内容を絞り、ミドルからファイナルでの上体の飛ばしがスムーズにおこなえるようになるエクササイズ、スイープ種目での体のヒネリを意識した即効性のあるエクササイズを中心におこないました。
エクササイズ終了後に「うぉー、(背中の動きが)変わった!!」の声に牛田もうれしくなりました。
<2週間後、大林コーチより・・・>
「エクササイズによって、今まで安定しなかった選手のキャッチ姿勢でのグリップのトップの位置が安定してきた、そして背中のカーブがきれい� �整ってきた」との成果をいただきました。
また、「昨年から目指してきた漕ぎにをおこなうのに、ぴったりのエクササイズである」という内容の評価をいただきました。
余談ですが、大林コーチも2週間エクササイズを継続したことで、ゴルフのスイングが上達したそうです。
2009年2月5日 <正しいヒザ屈伸運動とは>
同じ目的をもった動作をするにも使われる筋肉や関節の角度は違ってきます。
例えば、ピッチャーの投球動作、キャッチャーに向かって球を投げるという目的は同じでも、オーバースロー、サイドスロー、アンダースローとそれぞれあり、体の使い方もそれぞれ違います。
当然、疲労が溜まりやすい筋肉も、ケガが出やすい関節もフォームによって変わってきます。
ヒザ� ��曲げ伸ばしするという脚の動きでも同様なことが言えます。この部分を意識した脚の動かし方だと、お尻の大きい筋肉を使いやすいとか、この動かし方だと腰やヒザを痛めやすいなどです。
ボートはヒザの曲げ伸ばしを何度も、何度もおこなうスポーツです。体に負担のある動作を知らず知らずのうちに繰り返しているのならば、それは疲労やケガ、パフォーマンスの低下につながってしまいます。
どのくらいのハリネズミライブはしない
自分は他の選手よりも疲れやすいとか、同じ部位ばかりを痛めてしまう、というような場合は、身体の使い方を見直す必要があるかもしれません。正しい体の使い方のレッスンを中心に話をしました。
23人いる選手の中で、正しいヒザの使い方をしていたのは、たった2名だけでした。数字にすると8.69%、残りの91.31%はヒザ関節や足首、股関節、それらに関連する筋肉に負担をかける動作をおこなっていました。
この数字の低さには牛田も驚きました。正しいヒザの使い方をマスターすることで、シーズン中の疲労感やケガが極端に少なくなることを期待しています。
2009年2月18日 <呼吸に使う筋肉と呼 吸法>
ボートは苦しいスポーツです。ゴール間近には、酸欠で動かなくなった体を気力で無理やり動かします。あと100m、あと50mその長く感じられることといったらありません。「イジーオール!」の掛け声とともに選手は、全身で呼吸して回復しようとします。
もっと楽に呼吸ができたのなら苦しさは少なくなるはずだし、もっと良いタイムが出せるはずです。1回の呼吸で酸素をたくさん取り込めるようになれば、呼吸の回数を減らせる。後半になっても"バテない"かもしれない。
3時間食べ物を取らなくても平気だが、3分間呼吸を止めておくことは難しい。呼吸が止まることは死につながります。それだけ呼吸は大切なものです。
厳しいトレーニングをすると、骨格筋ばかりでなく呼吸するための筋� �も疲労します。実際トランス系のトレーニングをした後は、首の前面が筋疲労で硬くなっているはずです。呼吸も浅くなってしまいます。
当日は、今、普通に呼吸をしていて苦しさも感じないかもしれないけれど、もしかしたらマスクをしながら呼吸しているように、抵抗が加わった状態なのかもしれない。
その様子は他人にはわからないし、自分でもその状態が普通になってしまっているから、苦しさに気づいていないのかもしれない。というような話から話を始めました。
その後、エクササイズを3種類ほどおこない、実際に体の変化を感じてもらいました。
ほぼ全員に以下のような変化がおこりました。
@ 深い呼吸ができるようになった。
→一回の呼吸が深くなることで呼吸回数を減らすことがで� ��る。
A 精神的にリラックスできた。
→ストレス、モチベーションの維持などメンタル面のコントロールができる。
B 体が温かくなってきて血行がよくなった。
→疲労回復効果が期待できる。
コアトレーニングの前準備も兼ねておこないました。
2009年3月4日 <コアトレーニング>
スポーツの世界では、体幹を鍛えるトレーニング、いわゆる「コアトレーニング」がはやっています。
コアは人が動作をするときに,,一番初めに動く筋肉です。立ち上がる、物を取るときでも、最初に動作が始まるのは、腕や足ではなく必ずコアです。コアが固まってから動きが始まります。
腕の力、足の力を発揮するには、コアの安定が必要です。
例えば、壁に画鋲を刺すとき。腕に力 を込めるだけではなく"腹で踏ん張って"いると思います。腹に力を込めないと画鋲をさすことはできません。自分の身長より高いところに画鋲を刺してみるともっと判りやすいかもしれません。まず腹を固めてから腕に力を込めているはずです。
実際にコアのコントロールができるようになると・・・
*パフォーマンスアップが期待できる
なぜペットは人々のために良いですか?
効率よくオールに力を伝えられるようになる。
エントリー前やファイナル、フォワード中にバランスを崩さなくなる。
*ケガの予防が期待できる
慢性的な腰痛はもちろん、バランスの悪い艇に乗っても腰が痛くなることは無くなります。また、100%とは言い切れませんが、脊椎分離症などの疾患を持っていても、問題なく運動ができようになるようになります。
当日は時間の関係で、実技中心におこないました。
* 脊柱のナチュラルポジションの確認
* コアのコントロールが出来ているときの感覚を磨くため触診方法
* コアをコントロールするためのトレーニングとそのポイント
コアのコントロールは意� ��すればできるというレベルではまだまだです。どんなとき、どんな状況でも意識しなくてもできるようにならないと、実戦には役にたちません。
大林コーチ曰く・・・
艇を早く進めている選手は、(コアトレーニングをおこなわなくても)知らず知らずのうちにコアをコントロールしている。とのことです。
コアトレーニングをおこなった直後に乗艇練習をしたY選手曰く・・・
コアコントロールしている感覚を触診することで確認したので、ボートに乗ったときも、その意識でおこなったところ、いつもよりも軽い力で同じくらいの艇速が出る感覚があったとのこと
2009年3月18日<日々のセルフケアテクニック>
現在、選手たちはセルフケアの重要性を理解し実戦しているが、思うように効果� �出せていない。このままでは、今後漕ぎこみをしていくと負傷者が急増していくことも考えられる。
そのため、今以上に効果を出すためのセルフケアのテクニックを指導した。
バランスボールやストレッチポールなど道具を使ったストレッチ方法。ペアストレッチ、ペアマッサージなどパートナーにおこなってもらう方法。
今までの方法では、手が届かない、伸ばせない、効果が感じられないという部分も改善できるようになりました。
2009年4月8日<肩甲骨について>
腕は肩甲骨が動いてくれないと、想像している以上に稼動範囲が小さくなってしまいます。逆に言うと肩甲骨の動きを良くすると腕の動きは大きくスムーズに、また力強く動かすことができます。
ボートの動作で言えば、エン� �リーの姿勢では肩甲骨を前に送り出すように出せるだけで、レンジは大きくとれるようになります。またファイナルでの腕引きも、肩甲骨の使い方一つで艇の伸びが変わってきます。
肩甲骨の稼動範囲を広げるためのエクササイズを伝えました。
当日は、肩甲骨を意識すると力強い動きができることを話すのを忘れてしまいました。
2009年4月23日<ウォーミングアップとクーリングダウン>
ウォーミングアップとクーリングダウンはスポーツをやっている人には当たり前にやっていることだと思います。しかし、当たり前だからこそ、大切なのであえて題材にとりあげ、効果ややり方を改めて認識してもらいたくて話をしました。
ストレッチは、ウォーミングアップとクーリングダウンで使い分けな� �ればいけないこと、効果的なクーリングダウンの方法など説明し、効果を出しながらも時間を短縮できるダイナミックストレッチを利用したウォーミングアップ方法を、実際に身体を動かしながらおこないました。
このウォーミングアップ方法は、柔軟性を高めながらランニングレベルまで心拍数を上げることができ、また神経の促通をおこなうことができます。
朝錬などの練習時間が限られているときに活用してもらうと、乗艇の時間を多く確保できるようになるので効果的です。
2009年5月13日<ボート選手に必要な柔軟性>
スポーツ選手の体に対する悩みの多くに体が固いというものがあります。関節の稼動域が小さく柔軟性が低い状態です。
この柔軟性ですがおこなっているスポーツによって必要な部位や柔らかさは違います。ボートには新体操のような柔軟性は必要ありません。
そこで今回はボート選手に最低限必要な柔軟性と、実施に自分はその値を満たしているのかを確認しました。
また、柔軟性が低いことでが原因で漕ぎが乱れる原因を体の部位ごとに紹介しました。
半年過ぎて・・・
< p>昨年の11月から始めたこの勉強会ですが、今までは疲労を抜く、柔軟性を高める、自分の体の状態を常に把握するということを理解してもらうための内容に特化させてきました。これらはスポーツマンだったら最低限でも知っていてもらいたい内容です。選手たちは既に知っていることも多かったかもしれません。しかし、知っていることと実際にやっていることは結構違うものです。
例えば痩せたいと思っていてダイエット方法や知識は豊富、でも実行しない。たばこは健康によくないと解っている。だけど禁煙できない・・・などです。
ぜひ知っていることと、やっていることが同じになるように行動して良い体調、高いパフォーマンスを常に出せるようになってもらいたいと思います。
これからはもう少し違� ��た内容について伝えていきたいなと思います。
2009年5月27日<反射とSSC>
人は転びそうになったら思わず手が前に出て体を支えようとしたり、熱いものに触れたらサッと手を引っ込めるなど、自分の意思とは無関係に身体が反応することで、ケガなどをしないように反射により防御しています。
ボートの場合でも、バランスが崩れたら無意識にオールの高さを変化させたり、頭の位置を戻して艇を水平にしようとします。これらの動きも反射によっておこなわれています。
今回の勉強会では、反射のうちボート競技に特に関係すると思われるものについて話をしました。
また反射と関連した話として、SSC(ストレッチ・ショートニング・サイクル)と呼ばれるテクニックを使うことでより� �きなパワーを引き出す方法について
*実際にボートを漕ぐ上でどういう身体の動きを出せば、SSCを引き出すことができるのか?
*更に効率よくSSCを使うにはどうすればいいのか?
*SSCを効果的に引き出すウエイトトレーニング
こんな話をしました。
−今後予定している勉強会の内容−
<ウォーキング>
<痛みの出る原因 腰痛・肋骨の疲労骨折>
<リラックス>
<暑さ対策>
<目標の再確認>
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